機材紹介【全周魚眼レンズMADOKA】

機材紹介

以前にGoogleストリートビュー撮影の問い合わせがあり、今私が360°VRパノラマに使っている機材ではオーバースペックとなるため、先方の要望に合わせた撮影をするため、安いパノラマ撮影機材を揃えることにしました。

そのメインとなるレンズが今回紹介する「全周魚眼レンズMADOKA」です。

全周魚眼レンズMADOKA

全周魚眼レンズとは、カメラ(レンズ)の位置から前方360°全周を撮影できるレンズです。

原理的には前の全周360°を撮影して、カメラを反対側に向けて同様に撮影して、2枚の写真を繋ぎ合わせれば360°VRパノラマになりますが、実際にはつなぎ目の画像が不明瞭になっている部分があったり、三脚が写ったりしているので、話はそう簡単ではありません。

また、カメラのセンサーは長方形なので、全周魚眼レンズで撮影すると円状の画像の外側は使えなくなります。

この時点で画素数は半分程度になっているでしょう。

ちなみに、一般的な魚眼レンズは対角魚眼レンズといって、センサーの対角線がイメージサークルの中に入るようになっているので、画面全体に映像が写ります。

35mm換算を含めてレンズの焦点距離・絞り・被写界深度を理解する

こんな変わった全周魚眼レンズを好んで使う人もいるようですが、私は今回の案件のためにしか使う予定はないので、極力安いレンズを、と思って探してたら日本国内の安原製作所という会社が販売していました。

その名もズバリ!「全周魚眼レンズMADOKA」(APS-C用です)。

その道では有名なようですね。

ニコンやキャノンといったメーカー製のものになるとかなりのお値段になってしまいますが、これは2万円程度で買えました。

ただし、機能がかなり制限されてしまい、AFは使えずにMFだったり、電子接点もないので絞りも手動で絞りリングを操作します。

でも、360°パノラマを撮影するにはそんな便利機能は不要ですので、僕の使用用途に関しては何も問題ありません。

また、来るか来ないかわからない案件のためにカメラを買うのはバカバカしいので、持ち合わせの中から使います。

ただし、カメラに接続するアダプターはSONY用とFUJIFILM用しかないらしいのです。

幸いにも僕は水中の360°撮影でSONYのカメラを使っているので、今回はSONYのカメラと組み合わせて使います。

とりあえずこれでカメラとレンズはOKです。

パノラマ雲台も必要

360°撮影に必要不可欠なもう一つの道具がパノラマ雲台です。

これは特殊な形をしていて、回転させながら使うものですが、僕が普段使っているパノラマ雲台はNodal Ninjyaという専用の製品で業務撮影用にニコンのAPS-Cカメラに対角魚眼レンズをつけて、バッチリセッティングしてあります。

ので、来るか来ないかわからない業務のために、このセッティングを崩して使うのは効率的ではないので、とにかく安いパノラマ雲台を探してみました。

ありました。

安さで有名の某国Neewerというメーカーの製品のようです。

購入当時は1万円以下で買えました。

動かしてみましたが、やはり安物だからか、各部の動きが渋いです。

これだと、回転させるときにうっかり三脚をズラしてしまったりする可能性がありますが、そこを理解して慎重に使うしかないでしょう。

そもそもこの案件が仕事になるのかどうかがわかりませんからね。

とりあえずテスト撮影

道具が揃ったので、テスト撮影を行いました。

なお、比較のために普段業務で使っている機材とRICOH THETAでも撮影してみました。

まずはMADOKAを使って撮影。

ストリートビューの案件では、この組み合わせて水平方向に90°ずつ回しながら4カット撮ったもので1セットになるとのことでした。

要するに三脚が写り込むのは避けられないと。

この4カットでパノラマを作ってみたらこうなりました。

大きな画面で見る

当然ですが、三脚は写り込みます。

そして天井部分も黒く抜けてしまいました。

ちなみに、オリジナルの画像解像度は11624×5812(6700万画素)になりました。


ストリートビューの業務案件だとこれでOKらしいですが、個人的には三脚や天井部分が納得できないので、さらに上下と三脚消しカットを加え7カットからパノラマを作ってみました。

大きな画面で見る

これなら個人的に不満はありません。


そして、せっかくなので業務撮影をしている機材で撮影。

大きな画面で見る

オリジナルの画像解像度は17476×8738(約1億5000万画素)となり、MADOKAで撮影した画素数の2倍以上になりました。


最後にオマケとしてTHETAでも撮影。

Post from RICOH THETA. – Spherical Image – RICOH THETA

ちなみにTHETAの解像度は5376 × 2688(1400万画素)。

機材紹介【RICOH THETA】

まとめ

いかがでしょうか?

360°VRパノラマは撮影する機材によって、かなりクオリティの差があると感じてもらえたのではないでしょうか?

ストリートビューは雰囲気が伝わればOKなので、それほど高いクオリティを求められません。

っていうか、THETAでも十分ストリートビューに投稿できますし。

そして、今回紹介したMADOKAと安いパノラマ雲台の組み合わせでも、上下もしっかり撮影してステッチすることで、ストリートビューのクオリティをはるかに超えた完全な360°VRパノラマが作成できることもわかっていただけたかと思います。

難しいイメージがある360°VRパノラマですが、機材自体はそれほど高いわけではありませんので、興味のある方は是非チャレンジしてみてください。

僕もUdemyで360°VRパノラマの撮影/編集方法の講座を公開していますので、わからない方は受講してみてくださいな。