沖縄でダイビングインストラクターをやっている時にはウミガメは人気者でした。
キモい系の爬虫類の中でも攻撃的なイメージのヘビやトカゲと比べ、カメは動きも遅いしおっとりしたイメージがあるのでしょう。
沖縄にはたくさんいますしね。
ただ、のんびり泳ぐイメージはありますが、本気で泳がれるととてもついていけるスピードではありません。
中にはダイバーなど気にせずにのんびりとマイペースなやつがいて、そんなウミガメに会えると写真も撮り放題で楽しいです。
「カッコいいウミガメの写真が撮りたい」
と思って、僕もいろいろと撮ってきましたが、現在の一番のお気に入りはフィルム時代(2006年6月30日)に撮ったこの写真です。
Nikon F100&16mmフィッシュアイ
座間味島の「知志」というポイントで撮影しました。
すでに梅雨明けした夏の沖縄。
海も穏やかで流れもなく最高のダイビング日和。
時間もゆっくり流れていきます。
他のダイバーは近くにいなくて、僕とこのウミガメだけが真っ青な海の中をゆっくりと泳いでいます。
撮影条件としては申し分のない状況でした。
「太陽を背景にしてシルエットだけで撮りたい」と考え、ストロボはOFFにして絞り優先オートでカメと並走してチャンスを待ちます。
ダイバーなら常識ですが、ダイビング中に呼吸を止めるのは絶対にしてはいけない行為。
しかし、カメの真下に入って息を吐き、吐いた息(泡)がカメのお腹に触れると一気に逃げていってしまいます。
なので、ゆっくりと様子を見ながらタイミングを待ちます。
自分の呼吸のタイミング、カメの動き方、泳ぐ方向などを考えて、「行ける!」と思った時に「決して慌てずにゆっくりと」カメの下を通過しながらカメと太陽が重なるタイミングでシャッターを切ります。
運よくカメも僕の方に向かってきてくれたので、広角レンズのデフォルメ効果により頭でっかちで腕が大きく長く見えるようなシルエットになり、お気に入りのカットになりました。
この時のカメとの距離は手を伸ばせば触れるほどです。
僕もこの時にはなぜが落ち着いていて、すごく気持ちの良い時間が流れていました。
その後もカメを撮影する機会はたくさんありますが、今のところ僕の中では今回紹介した写真が撮影時の気持ちも含めて一番のお気に入りとなっています。
その後に撮ったお気に入り写真。
Nikon D300&10.5mmフィッシュアイ&ストロボ(マニュアル露出,f/7.1,1/160,ISO200)
Nikon D300&10.5mmフィッシュアイ&ストロボ(マニュアル露出,f/9,1/80,ISO200)
Nikon D300&10.5mmフィッシュアイ(絞り優先オート,f/8,1/160,ISO200)
Nikon D7200&10.5mmフィッシュアイ&ストロボ(マニュアル露出,f/8,1/200,ISO200)