「オオシライトゴカイ」で紹介したように、僕はケヤリムシの仲間を接写するのが結構好きです。
種類にこだわりはなく、キレイに撮れそうな時には時間をかけて粘ります。
今回紹介する写真は「コウキケヤリ」というケヤリの仲間だと思います。
ケヤリの仲間としてはやや大きめで、紅白の模様が美しく、水槽の観賞用としても売っているみたいです。
もちろんこの写真は自然の中での撮影ですけど。
肉眼ではわかりづらいのですが、マクロレンズをつけてファインダーを覗くと「鰓冠(さいかん)」の先に細い毛がクシのようにフサフサと生えているのがわかります。
マクロレンズは被写界深度が浅いため、全ての毛にピントを合わせることはできないので、ピントを合わせる1本を決めたら、ユラユラと動く鰓冠を見ながら、背景など全体の構図の良い時にシャッターを切ります。
FUJIFILM S5Pro & 105mmマクロ & ストロボ(マニュアル露出,f/8,1/125,ISO100)
この種類は大きい割には敏感なことが多く、近づこうとすると驚いて引っ込んでしまうので、なかなか接近することができません。
この写真はほぼ最短撮影距離で撮っていますが、接近する際に何度か引っ込めてしまい「出待ち」をしながら撮影をしました。
「広大な海に潜っていながら、数十分全く動かずにひたすら同じ被写体を撮るのってどうなの?」と思うかもしれませんが、これが結構楽しいんです。
水深が深くなければ、空気がなくなったり、体内に窒素が溜まりすぎて危ない、なんてことはありませんよ。