沖縄では冬になるとザトウクジラがやってきます。
目的は出産や子育てと言われていますが、特にケラマ諸島は島々に囲まれているので、冬の北風が強い時期でもどこかしら穏やかな海域があって居心地がいいのでしょう。
観光としてのホエールウォッチングももちろん盛んですが、ケラマ海域でダイビングをするためにボートで移動する際にもザトウクジラを見ることがあります。
僕がダイビングガイドをしていた頃も冬になると良くザトウクジラを見かけました。
ザトウクジラにはいくつかの行動があり、中でも「ブリーチング」と言われる大ジャンプは本当に迫力があって感動します。
僕たちダイバーはホールウォッチグ専門船ではないので、ダイビングの行き帰りの航路付近で見かけたら少しの時間立ち寄って見学するだけですが、タイミングがいいとブリーチングを見ることもできます。
ただ、冬の間は海がシケていることが多く、そんな時にボートを停めているとみんな船酔いになって大変なのでスルーすることもあります。
そんな状況なので、冬は毎日ボートにカメラをのせていますが、一冬を通してもしっかりと撮影できるチャンスはなかなかありません。
特にブリーチングは、何の前触れもなく突然水中から小型ボートくらいの巨体が飛び出してくるのですが、海上の周囲360度どこから出てくるか全くわからないので、まさにモグラ叩きのような状態です。
ある意味ゲーム感覚で楽しめはしますが、やはり結果を残したいものですよね。
そんな沖縄時代での一番のお気に入りがこの写真です。
Nikon D300&70-200mm(絞り優先オート,f/5.6,1/2500,ISO400,露出補正-0.3)
これは少し小さめの若い(もしくは子供の)ザトウクジラだと思います。
かなり元気よく飛び出してくれたので、ほぼ全身を撮ることができました。
では、他の写真も少し紹介します。
こちらは「フルークアップ」とよばれる潜る前に見せる尾ヒレです。
Nikon D300&70-200mm(絞り優先オート,f/5.6,1/1600,ISO400,露出補正-0.3)
この写真は潜る前に場所もわかるし、動きも予測しやすいので写真を撮るのは比較的簡単です。
ただ、大きなクジラになると一度潜ったら15〜30分ほど水面には出てきませんので、待ち時間が長くなってしまいます。
こちらは同じ尾ヒレですが「テールスラップ」といって激しく海面に打ちつけます。
Nikon D300&70-200mm(絞り優先オート,f/4,1/2000,ISO200,露出補正-0.3)
続いて「スパイホップ」。
Nikon D300&70-200mm(絞り優先オート,f/5.6,1/1600,ISO400,露出補正-0.3)
水面から顔を出して周囲を伺う行動です。
この写真はちょうど鼻の穴が写っていますが、人間の鼻みたいじゃないですか?
最後は再び「ブリーチング」。
Nikon D300&70-200mm(絞り優先オート,f/5.6,1/2000,ISO400,露出補正-0.3)
この写真は始めに紹介した写真と同じ時に撮影していますが、もっと巨大なクジラです。
もしかしたら始めの写真と親子なのかもしれませんね。
ちなみに、ダイビング中は(水深が全然違うので)滅多なことでクジラを見ることはありませんが、クジラの鳴き声はとてもよく聞こえます。
沖縄でダイビングをしていてクジラの鳴き声が聞こえると、冬を感じるとともになんだかとても癒されますよ。
あなたもダイビングに挑戦してみてはどうでしょうか?
私でよければダイビング講習もできますので。