「ナカモトイロワケハゼ」との思い出の写真はいくつかありますが、今回は「スカシモエビ」と一緒の写真を選びました。
僕が沖縄でダイビングガイドを始めた頃は「ナカモトイロワケハゼ」は石垣島などもっと南の島で見られる魚でした。
しかし、いつしか沖縄本島でも比較的見られるようになってきたのですが、これはガイドさんたちがナカモトイロワケハゼの生息できる環境に「すみか」である空きビンなどを設置したりする努力の結果でしょう。
今だから言いますが、実はその火付け役は僕自身だと思っています。
当時僕はビンを海中に設置することにすごく抵抗がありました。
だって言ってみればゴミを置いてくることですから。
なので、当初は誰も潜らない場所にこっそりと置いてみただけでした。
しばらくして変化がなければ回収してくるつもりだったのですが、ある時ナカモトイロワケハゼが住み着いてくれたのです!
その情報が広まってガイドさんたちがビンを設置するようになったのですが、僕はビンを置いてきたことに抵抗があったので自分が初めにやったことを黙っていました。
今や当たり前のようにビンを置いてきてすみかを提供することで、ナカモトイロワケハゼは色々な場所で見られるようになっていて、ダイバーを楽しませてくれています。
それでもやはり僕はビンを置いてくることに未だ抵抗を感じます。
自然の姿ではないですからね。
そうは言ってもせっかく住み着いてくれたので、潜る度に写真を撮りに行ってしまいます。
生息環境がやや深いので、あまり長時間撮影をすることは難しいですが、完全に住み着いてくれると生態観察にはもってこいの環境になりますね。
この写真はたまたまスカシモエビと一緒にいたので、両者の目にピントが合うように撮影してみました。
ビンの色もいい感じでお気に入りの一枚です。
ただ、このビンは偶然ではなくて僕が選んで沈めたものですが。
Nikon D7000 & 85mmマクロ & ストロボ(マニュアル露出,f/8,1/30,ISO100)
沖縄を離れ山梨に戻ってから伊豆で潜ると、ずっと以前から同様にビンを沈めてミジンベニハゼ(ナカモトイロワケハゼと色違いで生態が似ている)の「すみか」としていることを知りました。
確かにいつでも同じ場所にいるので、ガイドとしても定番ネタとして紹介しやすいですし、生態観察も楽しめますからね。
ミジンベニハゼの写真もまたいずれ紹介したいと思います。